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都留 智仁; 青柳 吉輝; 加治 芳行
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1298, 6 Pages, 2011/04
照射材で観察される転位チャネリングは、変形局所化の結果として観察され、照射誘起応力腐食割れ現象における重要な応力因子と考えられている。本研究では、照射材の変形のメカニズムの解明のため、原子シミュレーションと連続体解析に基づく階層的な計算科学モデリングを構築し、照射材の塑性変形について検討を行った。まず、原子シミュレーションから照射欠陥が存在するときの基礎的な情報として、降伏応力の欠陥密度依存性を検討した。次に、二次元及び三次元の照射欠陥を有する多結晶モデルに対して、照射欠陥の弾性変形と塑性変形への影響を検討した。原子シミュレーションにより、照射欠陥は弾性変形過程に大きな影響を与えない一方、降伏応力は欠陥直径が24nmの場合に150200MPaに上昇することがわかった。さらに、これらの降伏応力等の情報を結晶塑性有限要素解析に適用する階層モデルを提案した。そして、実際の転位密度を有する照射材において、照射欠陥の有無がマクロな塑性変形挙動に大きな影響を与えることを示した。
Kim, G.; 芝 清之; 沢井 友次; 井岡 郁夫; 木内 清
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1298, p.61 - 66, 2011/04
FaCT事業では、約250dpaの照射量に耐える燃料被覆管の候補材として9Cr系のODS鋼が選定されているが、粉末冶金に伴う製品の安定性や、再処理適合性の面での懸念も議論されている。本研究では、こういった懸念に対するバックアップ材料としての位置づけで、耐照射性とともに耐食性に優れる二種類('析出型とG相析出型)の超高純度高Ni合金(EHP合金)を選定し、その開発を進めている。開発材の耐照射性を確認するために、高速炉での核変換反応に伴うHeやHの生成量を模擬した高崎量子応用研究所TIARAのイオン照射実験を実施した。その結果、400C照射では'析出型合金,G相析出型合金ともに照射硬化を示したが、G相析出型合金の方が照射硬化量は大きかった。また、550C照射によるスエリングは両合金ともに良好であったが、特にG相析出型合金では大型のボイドが形成されず、極めて耐スエリング性が高いということが明らかになった。